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事業モデル、為替、経営管理を取り上げる
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今日は、効率化の罠を取り上げる。
以下は典型的なダメパターンの企画提案書だ。


このシステムを○○部に導入すれば、
○○部では月当たりXXX時間、年X,XXX時間時短できます。
これに、標準労務費単価X,XXX円を掛けると
XX,XXX,XXX円のコスト節減です。
システム導入費用はXX,XXX,XXX円です。
従って、この投資は3年で回収できます。
その後は、ひたすらコスト節減効果を享受できます。
決済承認、お願いします。


これの一体どこがダメなのか。
え?と思った方がいれば、今日から考え方を改めるべきだ。


効率化は間違いなく実現できる。疑う余地のない事実だ。
しかし、最大の肝であるコスト節減が"実現"できない。
そこがダメだ。


どういうことかというと、この導入による時短相当労務費分
従業員をレイオフできない限り、あるいは、その出費を回収する
だけの収益UPを果たせない限り、決済承認書のコスト節減は
決して"実現した"と言えないからである。

はっきり言おう。上記事案の場合、その会社には間違いなく、
そのシステム導入費用分穴が開くはずだ。


つまるところ、社内費用の節減を目的とするシステム化に
ついては、コスト節減の"実現"につながらない可能性が高い。
根拠は、日本ではレイオフを簡単に行えないからである。

一方、これが社外委託費の節減につながる話であれば、コスト
節減が"実現"する話となる。別の表現をすれば、委託業務の
一部を内製化することでコスト削減を実現した、となる。
ポイントは社外支払いの節減である。間違いなく費用節減した
と断言できる。


情報基盤投資する場合、経営判断も働く話なので一概に
どうとは言えないが、複数あるシステムを一元化する(無駄な
転記を省いて自動化させる)ものであれば、その会社が置かれ
ている収益状況にもよるが、マネジメント層にとって果実と評価
できるものがあるだろう。要は、労務費以外で得られる価値が
どれだけあって、それが投資金額に見合うのかという話だ。

売上増に寄与する投資の話であれば、有用な投資か改めて
判断することが必要となる。先日紹介した、売上獲得モデルや
限利モデル、投資収益モデルといった5項目について、
総合的に検討することとなる。

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