忍者ブログ
事業モデル、為替、経営管理を取り上げる
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

少し前の話になるが、面白いTV番組を見た。

1枚の鋼板から切り出せる部品活用割合が、従来は60%
程度だったものを70%まで引き上げることが出来たと
いう内容だ。この取り組みにより、コスト削減できたと
番組で取り上げられた。

具体的には、これまでは部品点数=加工の手間という
考え方があったので、鋼板からは1部品単位で切り出すこ
とが半ば常識となっており、それを、鋼板の徹底活用の
観点から、端材(余剰スペース)に着目して2分割で部品
を切り出し、その後溶接することで1部品化したというもの
だった。

これを面白いと感じ、雑談したのを思い出したのだ。

俺は、このコスト削減の着眼点はすごいと言ったところ、
相手は、これは本当にコスト削減となっているかどうか
わからないという。

俺の考えはこうだ。
鋼板の無駄が減った分、鋼板購入量は下がる。
従来と比べ、単純計算で10%のコスト削減となる。
溶接コストといっても電気代が少し増えるくらいの
ものだ。コスト削減できている。

相手の考えは複雑だった。
まず、溶接工程が加わるので加工費が増える。
人もつけねばならない。
端材が減るので、スクラップ買取金額が減る。
これらを総合して考えると、コスト削減できて
いるかどうかわからない。

結局のところ、社内コストを変動費として捉えるか、
固定費として捉えるかの違いなのだが、俺は固定費
として捉えているので考え方がシンプルなのだ。

仮に、工場がフル稼働で溶接工程を外注化しなければ
ならない話であればコストアップとなるし、溶接工の
給料が完全歩合給であれば、通常の雇用形態(固定給
+残業代)と異なり、実質社外支払いと同等なので、
やはりこれもコストアップとなる。

よほど高額な溶接機を購入しないと加工出来ないシロ
モノであれば、別途投資の経済性について検討すれば
良いだけのこと。したがって、社内コスト云々につい
ては、会社全体で見れば費用は"増えない"となる。


ライン別予算実績の増減分析する人や原価計算する
人は、あれやこれや考えるのかもしれないが、俺に
言わせると、会社全体の費用影響を見ていく上では、
社外支払いか否かで見ていったほうがシンプルで良い。


そんなことを言うと、特定の工程や部門にしわ寄せが
行ったら業務運営をどうするのだ?という批判が出て
くるかもしれない。そうなったら、当然のことながら
そこがボトルネックとなるわけで、全社業務がそこで
滞留、利益獲得のペースが落ち込むことになる。

そうした失策を予防するには、ボトルネック工程/業務
フローを見える化する工夫や仕掛け作りを行う必要が
ある。

拍手[5回]

PR
コメントを書く
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード
 HOME | 19  18  17  16  15  14  13  12  11  10 
忍者ブログ [PR]