東日本大震災以降、原発依存比率を下げるべきとする
議論が台頭している。その流れを受け、原発依存割合
をどうすべきかについても議論されるようになっている。
議論が活発化することは大いに結構なことだ。
ただ、議論の手順がとんちんかんになっていると感じる。
最初に検討議論すべきことは、電力料の上昇について、
いくらまでなら許容できるかだろう。そして、この検討結果
を踏まえたうえで、原発依存比率の引き下げの影響評価を
行うとともに代替発電形態のコストパフォーマンス分析を行い、
最適な発電Mixを算出、実行フェーズに移行するというのが
あるべき手順である。
なお、参考までにwikipediaによると、日本の電力量における
原発依存比率は2010年度時点で約23%であり、NHKニュース
によると2011年度時点の依存比率は約26%ということだ。
資源に乏しいわが国のエネルギー政策について、石油依存
からどう脱却するのかは避けてとおることのできない議論であり、
それがこれまで原発依存を推進してきた背景の一側面でもある
のだから、昨今の依存割合について結論ありきから議論を
進めていくことは実に嘆かわしいことである。
俺が一番ありえないと思っているのは、原発停止によって不足
する電力量について輸入で賄えばいいとする議論だ。仮にこの
提案を実行すると、「電力供給を止めるぞ」という脅しのカードを
輸入先の国に与えてしまうことになる。少なくとも俺が供給側で
あれば、好きなときにこのカードをちらつかせることになるだろう。
同様の理由で、食料自給率についても日本はもっと高めていく
べきと考える。本来的に国も人も組織も、独立自尊を志向した
うえで、相互扶助の社会形成をしていくべきなのだ。